猫背姿勢が原因で、頭痛、頭重や片頭痛、後頚部の緊張、肩甲間部の疼痛、眼精疲労、瞼のピクピク感などの不定愁訴、手の痺れなどが出現することがあります。
ヒトの背骨は、横からみると頚椎・腰椎部では前弯、胸椎・仙椎・尾骨では後弯となっており、S字状のカーブを呈しています。
一般的にデスクワークや前屈作業等での猫背姿勢が続くと、頭に位置が前側にスライドし、同時に両肩が前方に出てしまいます。
その状態が続くと、いわゆるストレートネック状態につながる可能性があります。
ストレートネック状態は、首だけでなく、骨盤の歪みを引き起こし、身体全体の骨格バランスが崩れにもつながります。
また、そのような姿勢が脳に記憶としてインプットされ、通常の姿勢として認識されます。
そして、長期記憶として認識されてしまうのです。
ストレートネック状態を改善する為には、身体全体の骨格バランスを整えることが大切になってきます
具体的には、骨盤の歪み(仙腸関節)、頭部や背骨の位置関係(環椎後頭関節)を整えることです。
骨格アライメント不整の改善は、良い姿勢を定着させる為の土台作りとして大切であると考えております。
大後頭神経の刺激は頭痛の原因となります
スマートフォン操作やデスクワークなどの反復的な猫背姿勢は、頭部の前方突出により頭痛や後頚部痛の原因となります。
ヒトの頭部の重さは、体重の約1割といわれています。
60kgの体重である場合の頭部の重さは、約6kgです。
直立した時の解剖学的肢位において、重心線は環椎後頭関節の前方を通ります。
頚部の背部筋群は、前方の筋と比較して必然的に筋量が多くなります。
猫背は、頭部の前方突出を誘発し、頚部の背部筋に持続的な負荷が加わり、筋緊張をもたらします。
頚部背部筋である頭半棘筋や後頭下筋群の下頭斜筋の緊張は、大後頭神経を圧迫し、頭痛及び後頚部痛を引き起こします。
大後頭神経は、上部頚椎からでる末梢神経であり、下頭斜筋の下を通り、上方へ曲がった後に、途中で頭半棘筋の間を通過して後頭部へ走行します。
後頭部の知覚に関わっており、大後頭神経への刺激は頭痛、及び後頚部痛の原因となるのです。