【腰痛】骨盤の歪みからくる身体の痛み

ヒトは、長年にわたり農耕や狩猟で野山を駆け巡りながら、数万年の歩みで暮らしていました。

長時間のデスクワークは、ここ数十年でしかなく、300m~500mの近距離でさえ、自転車や車で移動するようになってしまっています。

下半身の筋力低下により、下半身の機能を庇うため、骨盤部に負担がかかり、仙腸関節の歪みを生じやすくなります。

結果、身体の土台である仙腸関節に負担をかけることになり、骨格の歪みつながります。

腰椎・胸椎・頚椎は、その上に乗っているにすぎません。

加えて、姿勢性の悪さや身体の使い方の不具合は、頚椎椎間板変性や椎間板ヘルニア等を引き起こす可能性があります。

また、腰椎でも、腰椎椎間板変性や椎間板ヘルニアも姿勢が悪く、身体の使い勝手の悪さから生じてしまうのは、よくお分かりになるでしょう。

下半身の筋力強化エクササイズとしてスクワットがおすすめです。

スクワットは、大殿筋や大腿四頭筋に強い負荷が加わると同時に、体幹を支える筋群にも刺激を与えることが可能です。

下半身強化は、日常生活で頻繁に行われる動作である歩行、階段の昇降、そして起居動作が容易になることが期待できます。

しかし、スクワットは難易度が高く、身体を支持しながら深くしゃがみ込む動作は困難であると思います。

スクワットの代用として、椅子を用いての起立・着席動作を繰り返し行うことをご提案します。

強度は劣りますが、転倒のリスクも低く、屈伸する際に膝がつま先より前に出ることによる膝関節障害防止になります。

骨格バランス低下に対する力学的アプローチ

筋・骨格は、普段からのストレッチ、筋力強化が不可欠になります。

パソコン作業は、30分以内にする事を考える必要があります。

モニター、デスクの高さや体に合った椅子、視力(眼鏡等で調整)、部屋の明るさ等、人間工学を取り入れることも重要です。

椎間板変性、椎間板ヘルニア等の疾患に対して、鎮痛剤などで症状が一時的に治まったとしても、例えばストレートネックが続くと、将来的に変性・変形が更に進み、脊髄を通る脊柱管が狭まっていき、脊柱管狭窄症となっていく可能性が高くなってきます。

現状、どんなことがなされているかというと、鎮痛剤や筋弛緩剤などの対症療法が主な治療法です。

内科学と違い、運動器疾患、特に筋・骨格系は、建物の考え方と一緒で力学的アプローチが有効であると考えております。

ヒトは、直立二足歩行の動物です。

背骨というS字状の骨格を基本として腹筋、背筋群、そして下肢の筋群からバランス良く支えられています。

無理なく筋群が有効に働くためにも骨格バランスが大切なのです。

腰痛症からくる坐骨神経痛

ヒトの背骨は、横からみると頚椎・腰椎部では前弯、胸椎・仙椎・尾骨では後弯となっており、S字状のカーブを呈しています。

一般的にデスクワークなど、前かがみ姿勢での作業が続くと、腰痛を引き起こす可能性が高くなります。

反復的な前かがみ姿勢は、骨盤の歪みを引き起こし、胸腰椎のS字状の前弯後弯の低下による骨格バランスの低下を招きます。

さらに、頚椎のストレートネック状態、仙腸関節の歪みによる筋肉の拘縮(背筋、腹筋、臀筋、下肢の筋群)により坐骨神経が刺激的になることが考えられます。

鍼灸治療も効果ありますが、それだけでは不十分です。

骨格バランスの改善も必要です。

良い骨格バランスの上で、筋力を高め、身体の支持性を高めていくことが望ましいです。

また、身体とうまく付き合う為には、正しい姿勢の意識付けも必要です。

ウェイトオーバーは腰痛のリスクを高めます。

ヒトは、数十キログラムの体重で重力に逆らい、生活をしていることを忘れてはなりません。

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