8才男児。
平成20年9月13日、雲梯で遊んでいて右手をついて転落し、負傷した。
某総合病院 救急外来にてx-p検査(患側及び比較のため健側)を行う。
x-pにてNot Particularと告げられ、湿布の処置される。
1Week経過しても疼痛、可動域改善されない為、同総合病院整形外科にて再度x-p検査を行う。
この時もx-pにてNot Particularと再度告げられた。
様子を見ていたが運動痛、関節可動域制限依然改善する様子なく3WeeKs経過する。
このままではよくならないのではと心配した母親が子供をつれて平成20年10月6日に当院に来院した。
図1と図2は、平成20年10月6日当院に初診時での関節可動域を検査している画像である。
肘関節の伸展可動域は、右185度、左205度であり、屈曲可動域は、右98度、左145度である。
上腕骨顆上骨折に至らないまでも、関節内損傷及び関節捻挫の外傷であると考えられる。
疼痛、腫脹、可動域制限を伴う外傷は、再度x-p、及び超音波検査等の左右差を再検討して臨床所見とよく照らしてみることが必要だと考える。
経験と読影力の研鑽を積むことが大切になる。
超音波画像においては、皮下に腫脹がみられるが、背側の関節包損傷はみられない(図3、図4)。
受傷時のx-p(某病院から母親がコピー写真を持参)Lateral像にて、患側は骨端がインパクトして関節間隙が狭くなっているのがわかる。
健側と比較するとよくわかる。
患側の肘関節前面にFat pad signが見られる。
健側には見られない(図5)。
関節軟骨損傷の疑いある為、徒手整復及びプライトンギプス固定処置を行う(図6)。
図7は徒手整復後、プライトンギプスシーネ固定処置した後、提携病院にてのx-pである。
間隙は整復され左右ともほぼ同程度となっているのが分かる。
同医と今後の治療方針について話し合い、当院にて後療依頼される。
平成20年10月21日(当院初診後2Weeks)、ギプスシーネフリーとする。
伸展制限、及び屈曲制限が改善する(図8、図9)。
平成20年11月8日、肘関節可動域が良好となり、治癒となる(図10、図11)。