【姿勢】胸を張る意識付けの助けになるチューブロウイング

チューブロウイングは、背中の筋肉を強化し、猫背姿勢や円背などの姿勢の改善に助けになります。

また、肩甲骨の意識し、胸郭を広げる動作である為、良い姿勢への意識付けに非常に役に立つエクササイズです。

チューブロウイングは主に、広背筋や菱形筋、そして脊柱起立筋などの背中の筋肉を強化する種目です(図1、図2、図3)。

広背筋
図1 広背筋
菱形筋
図2 菱形筋
脊柱起立筋
図3 脊柱起立筋

チューブロウイングの手順

スタートポジション(図4)

  1. レジスタンスバンド(以下、バンド)を用い、適切な座り方でイスに座ります。適切な座り方とは、イスに対して骨盤を真っ直ぐとし、肩甲骨を背骨に寄せる(肩甲骨を内転させた)状態で猫背にならない様、座ります。
  2. バンドの張力が感じる長さで、バンドの長さを調整します。目線を真っすぐとし、チューブを握った時の手の高さは、みぞおち付近とします。

引く動作(図5)

  1. 脇を締め、息を吸いながら、ゆっくりとバンドを手前に引きます。引くときの秒数は、3秒を目安とします。呼吸のリズムが難しかったら、「イチ、ニ、サン」と声を出しながら引くことをおすすめします。
  2. 背中を反らしすぎず、体幹が真っすぐとなるよう心掛けます。背中を反らす動作は、上体の勢いを利用することになる為、代償動作につながります。十分なトレーニング効果が期待できない可能性が出てきます。
  3. 背中を丸めずに、体幹が真っすぐとなるよう心掛けます。背中を丸めると、肩甲骨を背骨に寄せる動作(肩甲骨の内転動作)が取りにくくなります。
  4. バンドを引くときは、肩が外転しない(脇が締まっていない)様、心掛けます。肩が外転すると肩甲骨を十分に背骨に寄せることが出来ません。
  5. バンドを引き終えた時の手の高さは、へその高さとなる様にします。手の位置が高すぎると、肩甲骨を背骨に十分に寄せることができません。

戻す動作(図4)

  1. 息を吐きながら、ゆっくりとバンドをスタートポジションに戻します。戻すときの秒数は、3秒を目安とします。呼吸のリズムが難しかったら、「イチ、ニ、サン」と声を出しながらスタートポジションに戻すこともおすすめします。
  2. スタートポジションに戻ったら、同じ動作を繰り返します。
  3. 回数は、20回を目安に行います。あくまでも目安である為、体調が最優先とし、無理せず行ってみてください。
ロウイング1
図4 ロウイング1
ロウイング2
図5 ロウイング2

筋力トレーニングの呼吸法

筋力トレーニングの呼吸法の基本は、コンセントリック筋活動の局面では息を吐き、エキセントリック筋活動の局面では息を吸います。

しかし、チューブロウイングの場合は、例外です。

チューブロウイングでは、引く動作(コンセントリック筋活動の局面)では息を吸い、戻す動作(エキセントリック筋活動の局面)では息を吐きます。

引く動作の際、胸郭が広がる為、胸郭の動きに合わせて「息を吸う」方が自然な動作となります。

つまり、チューブロウイングは、引く動作では息を吸い、戻す動作では息を吐く事が望ましいと考えております。

背中のトレーニングを行うときのポイント

一般的に背中のトレーニングは難易度が高いです。

なぜなら、背中は目に見えない位置にある為、トレーニング時の背中への意識付けが難しくなります。

背中のトレーニングは、肩甲骨への意識付けが特に重要です。

肩甲骨の位置を把握するために、骨模型や人体図などを用いて大まかな位置を把握することをおすすめします。

また、誰かに身体の表面から肩甲骨を触れてもらうことも有効です。

触覚を利用することで、肩甲骨がよりイメージしやすくなります。

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