【膝関節】後十字靭帯(PCL)の脛骨付着部剥離骨折

40代女性。

道路で段差につまづいて転倒し、右膝を負傷。

疼痛、腫脹、運動痛、機能制限、皮下出血、歩行困難を認める。

超音波検査を行うも、明白な骨折像を認めなかった。

膝窩に圧痛著明、前後方向の動揺性、内側半月板の適合不全を認める。

臨床的に骨折、及び十字靭帯損傷を疑う

徒手整復を行い、患部ギプスシーネ処置を行う。

さらに、松葉杖での免荷歩行を指示する。

近医にて精査を依頼する。

後十字靭帯(PCL)の脛骨付着部剥離骨折(骨折片の変位がほとんど認められていない剥離骨折)と判明。

X線像では、明らかな転位、骨折線は認められない。

MRI画像では、脛骨のPCL付着部に剥離骨折が認められる。

PCLの信号強度の上昇はあるが、連続性は保たれている。

同医師より後療依頼される。

受傷8週後、経過観察の為、CT検査を依頼。

CT画像では、仮骨が形成されており、骨折部の安定性が良好となる。

経過は、極めて良好である。

受傷13週後、膝ブレーシングにて全負荷歩行を開始する。

積極的な自他動運動を開始する。

鋭意加療中。

X線像1(受傷直後)
図1 X線像1(受傷直後)
X線像2(受傷直後)
図2 X線像2(受傷直後)
MRI画像(受傷直後)
図3 MRI画像(受傷直後)
CT画像(受傷後8週経過)
図4 CT画像(受傷後8週経過)