当院では、シューフィット相談を致します。
正確な足の測定を行い、その方に合った靴をご提案させていただいております。
靴(足)と体の障害については昔から言われておりますが、残念ながら日本ではその認識の低さから親が成長期の子供に誤った靴を与え、思わぬ障害を引き起こす事も珍しくありません。
ヨ-ロッパでは、小学校の課外授業で靴について教えているくらい靴の選択は重要なことなのです。
皆さんも今日から正しい靴を選び、健康で快適な生活を手に入れましょう。
足の計測
足長の計測
この長さが、靴の大きさを表すサイズとして知られています。
「足長」イコール「靴の中のスペース」ではありません。
靴の中は、捨寸といって足先に「1センチメートル」くらいの余裕があります。
足幅の計測
「E」、「2E」、「3E」などと表現されているものです。
足幅が合わなくても靴合わせは、うまくありません。
足囲の計測
足回りも慎重に測ります。
「足長」、「足幅」、「足囲」の3点は、最低限測定する必要があります。
自分の足サイズを知ることにより、自分に合った靴選びができるのです。
靴を選ぶときは、靴屋さんのなかでフロアーを歩いてみて、フィッティングを充分心がけましょう。
ヒールレッグアライメント
回内、回外度を測定します。
甲高や扁平足でもこの角度に影響します。
以前に、捻挫などでルージィングとなっていても、左右差として現れます。
これに気がつかないと足や腰、膝の障害などを起こすことがあります。
外果、内果の高さの測定
靴のウエスト部分が当たってはいけません。
ここも重要です。
足底アーチ低下による身体への影響
足の土踏まずは、体重負荷に対する緩衝材としての役割を果たしています。
足の土踏まずは、足底の内側(図1 BC)と外側(図1 CA)、及び前足部(図1 AB)の3つで構成されています。
以下、足の土踏まずを足底アーチといいます。
足底アーチの役割
足底アーチは、体重負荷に対する緩衝材の役割を担っており、何かしらの原因で足底アーチが沈むと身体に痛みを引き起こす原因となります。
足底アーチは、足底の靭帯や筋肉、そしてふくらはぎ(以下、下腿)の筋肉の働きによって保持されます。
短時間であれば、足底の靭帯や筋肉のみでアーチの保持は可能です。
しかし、恒常的に足底アーチを維持するためには、ふくらはぎの筋肉(下腿筋)の働きが必要となります。
特に、後脛骨筋と長腓骨筋の関与が大きいです。
下腿筋は、足底アーチの保持に重要な部位です。
例えば、日常生活動作で身体に負担が加わり、下腿筋の硬結により機能が低下すると、足底アーチの低下、つまり扁平化の原因となります。
猫背などの前かがみ姿勢は、重心が前方に変位します。
身体のバランスを整えるために、ハムストリングスや下腿後面の筋肉に反復的な牽引ストレスが加わります。
また、腰背部や後頚部筋にも負荷が加わり、腰痛や頚部痛等を引き起こす原因となります。
身体は、建物と同じで1ヶ所に歪みが生じると、他の場所で補う必要が出てきます。
筋肉は、ゴムの性質と同様に、柔軟性が備わっていないと、十分な収縮力を得ることができません。
古くて硬いゴムは、弾力性が乏しいということからご理解いただけると思います。
アーチ保持に重要な下腿筋が不良姿勢等により硬くなると、足の扁平化を招くおそれがあるのです。
適切な姿勢の徹底、ストレッチ、場合によっては身体全体の骨格を調整が必要であると考えます。
扁平足による足の痛み
足底アーチの低下は、足底に局所的な物理的ストレスが加わり、魚の目になる可能性があります。
下腿筋の一つである後脛骨筋や長腓骨筋の機能低下は、内側アーチ(図1 BC)の低下と同時に、前足部のアーチ(図1 AB)の低下を招く場合があります。
前足部のアーチ(図1 AB)は、第1中足骨基部(図1 B)と第5中足骨基部(図1 A)を基点とするアーチ構造です。
前足部アーチ(図1 AB)の低下は、体重負荷の際に前足部にかかる圧が分散されずに前足部のいずれかに局所的なストレスが加わる可能性があります。
そして、表皮が楔状に角質化(皮膚の表面が硬くなる)し、足底の皮神経を刺激してしまうのです。
魚の目は、専門用語で鶏眼と呼ばれます。
魚の目は、歩行の度に痛みを引き起こし、日常生活に支障をきたす恐れがあります。
また、サイズが合わない靴を履きつづけることによっても、靴からの圧迫力等によって魚の目を引き起こす原因となります。
低下した足底アーチには、各々に合った足底板の処方がすぐにでも出来る対処法です。
また、足底アーチの保持に重要な足底内在筋や後脛骨筋、そして長腓骨筋の機能回復も重要です。
さらに、身体全体の骨格の調整、筋肉の弾力性を高める目的でのストレッチ、及び適切な姿勢の意識付けも実践して頂きたいを考えています。